2012年11月27日

僕らはいま、生まれたvol.1

阿部敏郎さんの著書「いまここ」からの抜粋です


僕はずっと自由業で、風の吹くままに生きてきたみたいなところがある。

考えてみたら、この20年間、先の生活が保障されたことなんかなかったな。

家族を持ってからは経済的な責任も担ってきたので、「さて、どうしょうか」と、ひとりで問題をかも抱え込むこともあった。

そんなときに、自分がやってきた生き方があるんだ。

そのおかげで、よけいに心労やストレスを抱え込まずにこられたのかもしれない。

まず、自分にこう言うんだ。


『僕はいま、生まれた』


って。


人間は生まれたときから、家庭環境や肉体的条件など、さまざまな宿命を背負っているよね。

そのことに文句を言ってもしかたなくて、みんな、与えられた条件を引き受けながら、それぞれに人生行路を歩んできている。

同じように、自分の現状を過去からの流れの中で考えずに、


「いま突然、自分に与えられた」


って考えるんだ。


そうすると、

「どうして、こうなってしまったんだ!!」

とか、

「あのとき、こうしていれば!!」

とか、

「あいつのせいだ!!」

とかいった、終わってしまったことへの後悔や恨みはどこかに吹き飛んでしまう。

すると、そんな状況を与えられた自分が、

さてこれからどうやって生きていくか、

どうやってクリアしていくか

という、単純な事実だけが残る。

それによって、心労の半分はなくなってしまう。

だって僕らをダウンさせるのは、実は危機的状況そのものではなく、そんな過去に対する考えや感情だから。




……………家庭環境ねぇ

まぁ…いわゆる“複雑な家庭環境”とか、よくまわりから言われたけど(笑)

少なくとも、自分だけは自分の過去に意味づけするのはや〜めよっ